もののあわれについて852

この君召し放ちて語らひ給へば、人々は近うも参らず、まかで散りなどして、しめやかになりぬれば、匂宮「東宮には、いとま少し許されためりな。いと繁うおぼしまとはすめりしを、時とられて人わろかめり」と宣へば、若君「まつはませ給ひしこそ苦しかりしか。お前にはしも」と聞こえさして居たれば、匂宮「我をば人げなしと思ひはなれたるとな。ことわりなり。されど安からずこそ、古めかしき同じ筋にて、東と聞こゆなるは、あひ…

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