もののあわれについて862

君たちは、花の争ひをしつつ、明かし暮らし給ふに、風荒らかに吹きたる夕つかた、乱れ落つるがいと口惜しうあたらしければ、負けがたの姫君、 桜ゆえ 風に心の さわぐかな 思ひぐまなき 花と見る見る 御かたの宰相の君、 咲くとみて かつは散りぬる 花なれば 負くるを深き 恨みともせず と聞こえ助くれば、右の姫君 風に散る ことは世のつね 枝ながら うつろふ花を ただにしも見…

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