もののあわれについて864

またの日は、卯月になりにければ、はらからの君だちの内に参りさまよふに、いたうくんじ入りてながめい給へれば、母北の方は涙ぐみておはす。おとども、「院の聞こしめすところもあるべし。なににかはあぶなあぶな聞き入れむ」と思ひて、「くやしう、対面のついでにもうち出で聞こえずなりにし。みづからあながちに申さましかば、さりともえがたへ給はざらまし」など宣ふ。 さて例の、 少将 花を見て 春は暮らしつ 今…

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