生きるに意味などない90 2017年08月19日 確かに、人間は、無神論者も、有神論者も、時間というものを、信じている。そして、信じる者は、騙される。 つまり、時間に、騙されるのである。 だから、また、それに意味付けするのである。 ゆえにたとえ同じことをもう一度くり返すように見えても、厳密には同じ過去を再現しているのではない。われわれは同じに見えつつ、じつはかつてとは違ったやり方で新しく時を再生しているのである。新しい時間がそ…続きを読む
生きるに意味などない89 2017年08月18日 人はみなふたつの過去をもっている。われわれは思い起こしたい過去と忘れ去りたい過去があるのである。人はだれも同時にこのふたつをもつ。いいことだけを思い出そうとしても、その思い出にくっついているいやな思い出にふれざるをえない。いいことばかりだと言える人は、すでに悟った人でなければ、よほどおめでたいのではないか。他方、悲しい思い出しかないという人はどこかで悲しみに付随したよろこびのわからない人なのだ。…続きを読む
生きるに意味などない88 2017年08月17日 実に、馬鹿馬鹿しいことであるが、人間は、記憶によって、時間を意識する。 特に、残念なこと・・・ 悔しいこと・・・ 勿論、楽しいこともあるが・・・ 記憶という現象は、われわれ人間の意識の過去性と関係がある。われわれは生まれてこのかた「時」というものを、一度もじかにつかんだことはないのである。時というものは、初対面でわれわれを訪れる。そうしてわれわれが気づきなじみかけたときにはもうい…続きを読む