生きるに意味などない86

小原信氏の、現代人の時間信仰、を読んでいる。 記憶という現象は、われわれ人間の意識の過去性と関係がある。われわれは生まれてこのかた「時」というものを、一度もじかにつかんだことはないのである。時というものは、初対面でわれわれを訪れる。そうしてわれわれが気が付きなじみかけたときにはもういない客のようなものである。われわれは時がある、というより、もうないというかたちで、いわば過去的に背中から時を…

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