もののあわれについて896

いつとなく心細き御ありさまに、春のつれづれは、いとど暮らしがたくながめ給ふ。ねびまさり給ふ御さまかたちども、いよいよまさり、あらまほしくをかしきも、なかなか心苦しく、かたほにもおはせましかば、あたらしう惜しき方の思ひは薄くやあらまし、など、明け暮れ思しみだる。姉君廿五、中の君廿三にぞなり給ひける。 いつということなく、心細いご様子で、お暮しなので、長い春の日は、いっそう、時間を…

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