もののあわれについて897

八宮「なからむ後、この君たちを、さるべきもののたよりにもとぶらひ、思ひ捨てぬものに数まへ給へ」などおもむけつつ聞こえ給へば、薫「一言にてもうけたまはりおきてしかば、さらに思う給へおこたるまじくなむ。世の中に心をとどめじと、はぶき侍る身にて、何事もたのもしげなきおいさきの少なさになむ侍れど、さる方にてもめぐらひ侍らむかぎりは、変はらぬ心ざしを御覧じ知らせむとなむ、思う給ふる」など聞こえ給へば、うれ…

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