もののあわれについて899

秋深くなり行くままに、宮はいみじうもの心細くおぼえ給ひければ、例の静かなる所にて、念仏をも紛れなうせむ、と思して、君達にもさるべきこと聞こえ給ふ。 八宮「世の事として、つひの別れを、のがれぬわざなめれど、思ひなぐさまむ方ありてこそ、悲しさをもさますものなめれ。また見ゆづる人もなく、心細げなる御有様どもを、うち捨てむがいみじきこと。されども、さばかりの事に妨げられて、長き夜の闇にさへ惑はむがやく…

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