もののあわれについいて911 2017年12月31日 御心にあまり給ひては、ただ中納言を、とざまかうざまに責め恨みきこえ給へば、をかしと思ひながら、いとうけばりたる後見顔にうち答へきこえて、あだめいたる御心ざまをも、見あらはす時々は、薫「いかでか、かからむには」など、申し給へば、宮も御心づかひし給ふべし。匂宮「心にかなふあたりを、まだ見つけぬ程ぞや」と宣ふ。 胸に余る思いは、一途に中納言を、あれやこれやと責めて、恨み言をおっしゃる…続きを読む