もののあわれについいて913

総角 あげまき あまた年、耳なれ給ひにし川風も、この秋はいとはしたなくもの悲しくて、御はての事いそがせ給ふ。大方のあるべかしこきことどもは、中納言殿、阿闍梨などぞ仕うまつり給ひける。ここには法服の事、経のかざり、こまやかなる御あつかひを、人の聞こゆるに従ひて営み給ふも、いとものはかなくあはれに、かかるよその御後見なからましかば、と見えたり。 何年も、聞きなれた川風も、この…

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