国を愛して何が悪い188

西行の歌は反省的であり、自己へ呼び掛けるようなものが多いのは事実だが、しかし彼ほど好奇心の強かった人はない。周囲に吹きすさんでいた内乱の嵐に無関心であったはずはない。激しい武士的な死と、僧の荒行による死と、京の強盗殺人の横行と、併せて落葉のように流転してゆく女房の哀音と、こういう状況にかこまれていた彼の心は穏やかであったろうか。 亀井 「世の中に武者起こりて、東西南北、いくさならぬ所無し…

続きを読む