もののあわれについて916

かく程もなき物の隔てばかりをさはりどころにて、おぼつかなく思ひつつ過ぐす心おそさの、あまりをこがましくもあるかな、と思ひ続けらるれど、つれなくて、おほかたの世の中のことども、あはれにもをかしくも、さまざま聞き所多く語らひ聞こえ給ふ。内には、姫君「人々近く」など宣ひおきつれど、さしももて離れ給はざらなむ、と思ふべかめれば、いとしも守り聞こえず、さししぞきつつ、みな寄りふして、仏の御ともし火もかかぐ…

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