もののあわれについて918

姫宮は、人の思ふらむ事のつつましきに、とみにもうち臥され給はで、たのもしき人なくて世を過ぐす身の心のうきを、ある人ども、よからぬこと何やかやと、つぎつぎに従ひつつ、言ひいづめるに、心よりほかの事ありぬべき世なめり、と思しめぐらすには、この人の御けはひありさまの、うとましくはあるまじく、故宮も、さやうなる御心ばへあらば、と、折々宣ひ思すめりしかど、みづからはなほかくて過ぐしてむ。われよりは、さまか…

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