もののあわれについて920

暮れ行くに、まらうどは帰り給はず。姫宮いとむつかしと思す。弁参りて、御せうそこども聞こえ伝へて、うらみ給ふをことわりなるよしを、つぶつぶと聞こゆれば、いらへもし給はず。うち嘆きて、姫宮「いかにもてなすべき身にかは。ひとところおはせましかば、ともかくも、さるべき人にあつかはれ奉りて、すくせといふなる方につけて、身を心ともせぬ世なれば、みな例の事にてこそは、人わらへなるとがをも隠すなれ。ある限りの人…

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