生きるに意味などない111

旅先で人はいのる。家を出、国を出て異邦人となるとき、人はふるさとを思う。もうないはずのふるさとを、時間にではなく、空間に求めるのだ。 現代人のセックス追求も絶望のあげくのいのりではないのか。頼れるもの、頼るべきものが何もないとき、人は異性を神として相手にしがみつく。現代人にとって性は聖なる原点なのだ。 性を猥雑化するのは性の狭小化にすぎない。ささやかにくりかえされる性の頂点が生の頂点であるか…

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