もののあわれについて921

弁「さのみこそは、さきざきも御けしきを見給ふれば、いとよく聞こえさすれど、さはえ思ひ改むまじ、兵部卿の宮の御うらみ深さまさるめれば、またそなたざまに、いとよくうしろみ聞こえむとなむ聞こえ給ふ。それも思ふやうなる御事どもなり。ふたところながらおはしまして、ことさらにいみじき御心つくしてかしづき聞こえさせ給はむに、えしもかく世にありがたき御事ども、さしつどひ給はざらまし。かしこけれど、かくいとたづき…

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