もののあわれについて927

薫「今はいふかひなし。ことわりは、返す返す聞こえさせてもあまりあらば、抓みも捻らせ給へ。やむごとなき方に思し寄るめるを、宿世などいふめるもの、さらに心にかはぬものに侍るめれば、かの御心ざしはことに侍りけるを、いとほしく思ひ給ふるに、かなはぬ身こそおき所なく心憂く侍りけれ。なほ、いかがはせむに、思し弱りね。この御障子のかためばかりいと強きも、まことに物清くおしはかり聞こゆる人も侍らじ。しるべといざ…

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