もののあわれについて929

その夜も、かのしるべ誘ひ給へど、薫「冷泉院に必ず候ふべき事侍れば」とて、とまり給ひぬ。例の、ことに触れてすさまじげに世をもてなす、と、にくく思す。 その夜も、あの、案内役をお誘いになったが、薫は、冷泉院に、是非とも候しなければならないことがあります。と言い、お断りになった。また始まったものだ。何かと言えば、女に興味がない顔をする。と、匂宮は、憎らしく思うのである。 …

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