もののあわれについて930

三日にあたる夜、餅なむ参る、と、人々の聞こゆれば、ことさらにさるべき祝の事にこそは、と思して、御まへにてせさせ給ふもたどたどしく、かつはおとなになりて掟給ふも、人の見るらむことはばかられて、おもてうち赤めておはするさま、いとをかしげなり。このかみ心にや、のどかにけだかきものから、人のため、あはれになさけなさけしくぞおはしける。 三日目に当たる夜は、餅をお召し上がりになるもの。と…

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