生きるに意味などない121

西田がいかに「無」というものを、「いかなる罪人をも包み込む暖かい心」というように捉えようとしても、それは容易なことではなかったでしょう。しかし、人との別れ、過去への追想、失われた時間への罪悪感、そこからでてくる運命的なものの享受といったことがらをひとつひとつ通過し、自らの根底にある「悲しみ」を凝視してその先に「無」を求めていたことは間違いないのです。そこでようやく「もはや私というものはないのだ」…

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