もののあわれについて941

在五が物語をかきていもうとに琴教へる所の「人の結ばむ」と言ひたるを見て、いかが思すらむ、すこし近く参り寄り給ひて、匂宮「いにしへの人も、さるべき程は、へだてなくこそならはして侍りけれ。いとうとうとしくのみもてなさせ給ふこそ」と、しのびて聞こえ給へば、いかなる絵にかと思すに、おし巻寄せて、御前にさし入れ給へるを、うつぶして御らんずる御ぐしのうちなびきて、こぼれいでたるかたそばばかり、ほのかに見奉り…

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