もののあわれについて943

弱き御心地は、いとど世に立ちとまるべくも覚えず。はづかしげなる人々にはあらねど、思ふらむところの苦しければ、聞かぬ様にて寝給へるを、姫宮、物思ふときのわざと聞きし、うたた寝の御様のいとらうたげにて、かひなを枕にて寝給へるに、御ぐしのたまりたる程など、ありがたく美しげなるを見やりつつ、親のいさめし言の葉も、返す返す思ひいでられ給ひて悲しければ、「罪深かなる底にはよも沈み給はじ。いづこにもいづこにも…

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