もののあわれについて961

同じゆかりにめづらしげなくとも、この中納言をよそ人にゆづらむがくちをしきに、さもやなしてまし、年ごろ人知れぬものに思ひけむ人をもなくなして、もの心細くながめい給ふなるを、など思し寄りて、さるべき人してけしきとらせ給ひけれど、薫「世のはかなさを目に近く見しに、いと心うく、身もゆゆしう覚ゆれば、いかにもいかにもさやうのありさまはもの憂くなむ」と、すさまじげなるよし聞き給ひて、「いかでか、この君さへ、…

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