もののあわれについて974

宮は、いと心苦しく思しながら、いまめかしき御心は、いかでめでたきさまに待ち思はれむ、と心げさうして、えならずたきしめ給へる御けはひ、いはむ方なし。待ちつけ聞こえ給へる所のありさまも、いとをかしかりけり。人の程、ささやかにあえかになどはあらで、よき程になりあひたるここちし給へるを、「いかならむ。ものものしくあざやぎて、心ばへも、たをやかなる方はなく、もの誇りかになどやあらむ。さらばこそ、うたてある…

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