もののあわれについて976

匂宮「かごとがましげなるもわづらはしや。まことは、心安くてしばしはあらむと思ふ世を、思ひのほかにもあるかな」などは宣へど、また二つとなくて、さるべきものに思ひならひたるただ人の中こそ、かやうなる事のうらめしさなども、見る人苦しくはあれ。思へば、これはいと難し。つひにかかるべき御ことなり。宮たちと聞こゆるなかにも、筋ことに世人思ひきこえたれば、いくたりもいくたりもえ給はむことも、もどきあるまじけれ…

続きを読む