もののあわれについて978

君は入りて臥し給ひて、「はしたなげなるわざかな。ことごとしげなるさましたる親の出でいて、離れぬなからひなれど、これかれ、火あかくかかげてち、すすめきこゆる盃などを、いとめやすくもてなし給ふめりつるかな」と宮の御ありさまをめやすく思ひいで奉り給ふ。「げにわれにても、よしと思ふをんなご持たらましかば、この宮をおき奉りて、内にだにえ参らせざらまし」と思ふに、「誰も誰も、宮に奉らむと心ざし給へる女は、な…

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