もののあわれについて993

御琴ども教へ奉りなどして、三四日籠りおはして、御物忌などことつけ給ふを、かの殿には恨めしく思して、大臣内より出で給ひけるままに、ここに参り給へれば、宮「ことごとしげなるさまして、何しにいましつるぞとよ」と、むづかり給へど、あなたに渡り給ひて対面し給ふ。夕霧「ことなる事なき程は、この院を見で久しくなり侍るもあはれにこそ」など、昔の御物語ども少し聞こえ給ひて、やがて引き連れきこえ給ひて出で給ひぬ。御…

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