もののあわれについて994

二月のついたち頃に、なほしものとかいふ事に、権大納言になり給ひて、右大将かけ給ひつ。右の大殿左にておはしけるが、辞し給へる所なりけり。よろこびにところどころありき給うて、この宮にも参り給へり。いと苦しく給へば、こなたにおはします程なりければ、やがて参り給へり。「僧など候ひて便なきかたに」と驚き給ひて、あざやかなる御直衣、御上襲など奉り、ひきつくろひ給ひて、下りて、答の拝、し給ふ、御さまどもとりど…

続きを読む