生きるに意味などない189

類例は東洋哲学の至るところに見いだされる。例えばイブン・アラビー、十三世紀のイスラーム哲学者。彼の思想においては、「天地創造以前」の究極的存在リアリティは、ghayb 「玄虚」である。この言葉は、アラビア語では、底知れぬ深い闇のなかに、一物も残さずにすべてが穏没しきった状態を意味する。この形而上的境位を表すために、イブン・アラビーは「無」とも言う。「無」とは「無一物」の意。ただの一物も顕現してい…

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