もののあわれについて995

九日も、大殿より仕うまつらせ給へり。よろしからず思すあたりなれど、宮の思さむ所あれば、御子の君達など参り給ひて、すべていと思ふ事なげにめでたければ、御みづからも、月ごろ物思はしく心地の悩ましきにつけても、心細く思したりつるに、かくおもだたしく今めかしき事どもの多かれば、少し慰みもやし給ふらむ。大将殿は、「かくさへおとなびはて給ふめれば、いとどわが方ざまはけ遠くやならむ。また宮の御心ざしもいとおろ…

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