日々の言い分73

私は、実に、お人よしだと、思った。
勿論、日本人全般が、お人よし、である。

日露首脳会談・・・

北方四島が、返還されると、期待した。
本当に、期待である。

ところが、首脳会談は、共同声明もなく・・・
ただ、四島での、経済協力、特区として、共同開発するというもの。

それで、お仕舞い。
つまり、日本は、民間、政府ともども、ロシアの財布になるという、単純なことだ。

私は、何故、期待したのか・・・
それは、ただの、願望だった。

冷静に考えると、領土というものの、意識が、日本人とロシア人では、いや、世界的に、日本人とは、全く違う。

そうやすやすと、領土が返還されることはない。
それが、世界の常識である。

領土とは、国体を意味する。
現在のロシア人が、戦争により、得た領土を、返還することに、賛成する者は、いないのである。

ただし、ここで、歴史を振り返る。
まず、日清戦争の際に、日本が得た、中国の遼東半島である。
ところが、ロシアが、介入し、三国干渉で、日本は、その領土を放棄せざるを得なくなった。

そして、ところが・・・
その、遼東半島を、何と、ロシアが、租借してしまったのである。
その時、日本人は、ロシアの魂胆を見たはずである。

それでも・・・

そして、あの大戦の、ポツダム宣言を受け入れ、敗戦が確定した際に、ロシアは、日ソ中立条約を破棄して、宣戦布告してきた。
更に、すでに、その前から、満州に軍隊を送り込み、即座に、進攻したのである。

その、満州での、ソ連軍の蛮行は、書けないほどに、野蛮極まりないものだった。

日本は、決して、その歴史を忘れてはいけない。

ロシア、ソ連、そして、崩壊後の、ロシアは、何も変わっていないのである。
兎に角、ただ、利用するのみ。

帝政ロシア時代、日本人は、黄色いサルと皇帝に言われた。
公文書までも、黄色いサルと、書かれていたほど、差別されていたこと。

今回の、首脳会談で、私は、それを、また、嫌と言うほど、知らされた。
北方四島など、返還されるはずがないのである。

経済特区として、日本と共同開発・・・
しかし、持ち出しは、結局、日本側である。

また、領土をチラつかせられて、金を取られる構図は、以前にも、何度もあった。それでも、日本人は、希望を持つ。

そろそろ、このお人よし、お目出度い、心に、蓋をすべきだ。
国際社会は、性悪説で動く。
日本と、日本人は、性善説で、考えて、動く。

もう、それは、通用しないと、心に刻むべきである。

ロシアが国益を考えることは、何も、悪いことではない。
国際社会は、皆々、そうなのである。

日本は、中国、韓国に尽くしても、尽くしても、騙され、逆に、心を蹂躙され、果ては、中国などは、日本の領土を、狙うのである。

これほど、お人よしの、国、国民が、あろうか。

私は、自分が、まだまだ、甘いと、考えるしかなかった。
プーチンが、日本びいき、親日感情が強いと、考えたが・・・
それと、これとは、別だった。

領土を返還などすれば、国賊と言われかねないのである。
それほど、領土に、拘る。

それに比べて、日本人は、竹島が、韓国に実効支配されても・・・
国民全体で、怒ることもない。
中には、そんな島・・・と考えている人もいる。

領土が、国体という意識を持てば、どれほど、重要で貴重なものかが、分かるはずである。

天皇は、領土という、国体と、国民の象徴である。
つまり、天皇が、国体といわれる所以である。

領土に、稀薄な思いが、沖縄を危険な状態にしていることも・・・
中国の工作員に、散々に、狙われていること。

今回の、日露首脳会談で、私は、また、少し、お人よしから、抜けられることが出来た。