玉砕183

さて、ここで、昭和47年の沖縄返還について、少し書く。

実に、27年ぶりに、日本に復帰したのである。
軍事占領された地が、円満な外交交渉で、返還されるということは、世界的にも、稀なことだった。

日本人全員が、喜んだと、書きたいが・・・
本土の人たちは、喜んだが、沖縄の人たちは、複雑な心境だったという。

その昔昔、沖縄は、日本だった。
だが、14世紀以来、琉球と呼ばれる、独立国だった。

それが、薩摩藩の侵攻に遭い、圧制と搾取の下に、明治維新を迎えた。
その際に、沖縄も、日本として組み入れられた。
これに関しては、説明不足だが・・・

更に、大東亜戦争、第二次大戦では、唯一の、戦場となった。
9万4千人の県民が、犠牲になった。
別にして、軍人は、9万数千人である。

昭和50年7月に、沖縄海洋博が開催され、名誉総裁として、皇太子殿下、現在の天皇陛下が、出席したのである。

皇太子殿下は、昔から、沖縄への理解が深く、専門家からなど、しばしば沖縄の実情を聞いていた。
また、本土訪問の、豆記者を毎年、御所に招いて、歓談していられた。

沖縄行きが決まった際に、皇太子殿下は、
たとい、石をぶつけられてもいい、それでも地元の人たちの中へ入ってゆきたい
と、決意を示し、美智子妃と那覇へ飛ぶと、直ちに、ひめゆりの塔へと、直行した。

お二人が、供花台に花束を捧げて、黙祷した時、突如、火炎瓶が舞い、石が投げられ、炎が上がった。

地下壕は、女子学生たちが、自決した、聖地とされているが、前日から、そこに潜んでいたのである。犯人は、二人の過激学生だった。
実に、愚かな、振る舞いである。

現在も、このような、祖霊に対し奉る、無礼極まる者どもがいる。
反日左翼の者どもである。

だが、それでも、皇太子殿下は、泰然として、他の二つの塔に参拝されたのである。
美智子妃などは、案内役の生き残りの、高齢の女性のことを、自分のことより、心配したという。

更に、遺族団を慰問した後、同夜、800字にのぼる、談話を発表している。
「過去に多くの苦難を経験しながらも、常に平和を願望しつづけてきた沖縄が、さきの大戦でわが国では唯一の、住民を巻き込む戦場と化し、幾多の悲惨な犠牲を払い今日に至ったことは、忘れることのできない大きな不幸であり、犠牲者や遺族の方がたのことを思うとき、悲しみと痛恨の思いに浸されます。
私たちは沖縄の苦難の歴史を思い、県民の傷痕を深く省み、ともに力を合わせて努力してゆきたいと思います。払われた多くの尊い犠牲は、いっときの行為や言葉によって、あがなえるのもではなく、人びとが長い年月をかけてこれを記憶し、深い内省の中にあって、この地の心を寄せ・・・」

県民の心に寄り添い、日本人の衷心を代弁するものだった。

翌々日、皇太子殿下ご夫妻が、那覇空港を発つときは、数千人の県民が、温かく見送ったのである。

そして、その姿に、反日感情が失せて、よりよい日本人として生きると、決意した人たちがいた。
それを、現在まで、形にして、実行している人たちも、多数存在する。

さて、昭和天皇の御心である。
皇太子殿下を差し向けた、御心とは・・・

それを推測することは、不敬に当たると、私は、考える。
ただ、事実だけを書く。

昭和天皇は、沖縄について、
米国が今後25年から50年程度、日本に主権を残した形で、沖縄諸島を軍事占領することを希望している。米国の利益になり、日本を守ることにもなるからである。
との、お言葉が、米国の国立公文書館から、発掘されたのである。
それは、昭和54年4月のことであり、お言葉は、昭和22年9月18,19日あたりと、天皇の意向が示されている。

実に複雑な、心境であろう。
ただ、救いは、沖縄と日本の平和が、それにより、担保されたという、事実である。

現在、沖縄米軍基地は、地政学的に、必要不可欠である。
もし・・・
それが、無かったと仮定して、想像してみれど、よく解る。

尖閣諸島を狙う中国が、その辺で、うろうろしているのは、米軍基地があるらである。
更に、沖縄も、中国領だと、堂々と、主張しているのである。
少しの想像だけで、どのようなことになるのか、解るというものである。

更に、沖縄独立などいうのは、中国の工作員が、働いていることは、自明の理である。
それを、無視して、云々と、論を張っても、詮無いことなのである。

もちろん、愚かな人もいる。
沖縄独立がいいなどという・・・馬鹿者である。

沖縄が、中国に蹂躙されたなら、どんなことになるのか、全く理解していないのである。
チベット、ウイグル、南モンゴルを見よ、と言う。

漢民族は、野蛮極まりなく、民族浄化など、朝飯前である。

そのような、状態に、沖縄を投げ入れてもいいのか。
基地を無くすとは、沖縄の滅亡なのである。

米軍が、去れば、日本は最大に自衛隊を強化し、徹底した軍事力を、保持しなければならないのである。

それを、理解出来ないのは、反日左翼、共産主義者、反日過激派である。