玉砕221

シナ事変の発端となった、盧溝橋事件は、スターリンが後ろで糸を引き、中国共産党軍に仕掛けさせた、罠である。

その目的は、蒋介石の、国民党と日本軍を、戦わせるということ。

日本側が、いくら隠忍自重、不拡大方針を採っても、中国共産党軍は、日本人虐殺の、通州事件、上海事件といった、テロ行為を行い、日本軍を、大陸の泥沼に、引きずり込んだ。

それは、日本が大陸に進んで侵略戦争を、仕掛けたのではなく、中国共産党軍が、国民を反日に、そそのかし、次々に、各地でゲリラ事件を起こし、その鎮圧のために、日本軍が、大陸に進駐せざるを得なくしたのである。

つまり、計画的な、挑発である。

次は、アメリカである。
やがて始めようとする、日本戦に備えて、蒋介石に肩入れし、大量の援助物資を送り、日本軍を、疲弊させる手である。

直接的には、アメリカの正規軍である、フライング・タイガーと名乗る、300人の、空軍兵士を送り、戦闘にも参加させている。

つまり、この時点で、アメリカは、対日戦争に、突入しているのである。

日本政府は、この事態を、北支事変としていたが、逆に全シナに拡大されて、これを、シナ事変と言わざるを得なくなる。

日本にとっては、正式な国家の対シナ宣戦布告もなく、事件として、処理しようとしたが、シナ側は、これを日本の中国侵略として、日中戦争に、してしまった。

当時、シナの正式な政府は、存在しないのである。
匪賊、馬賊による、乱立した状態だった。
正式な中国政府など、存在していない。

日本軍が、直接戦った相手である、国民党にせよ、共産党軍との来るべき、対決を考えると、日本戦に深入りすることは、得策ではなかった。
しかし、いつの間にか、身動き出来ない状態になっていたのである。

これを、簡単に言うと、蒋介石と、日本が、米ソの謀略で、無理やり戦わせられた、挑発された戦争だった。

実際、日中戦争など、あり得ないことである。
何せ、毛沢東が、日本人に対して、日本軍が、国民党を追いやってくれたので、感謝していると、言ったのである。

さて、1933年、昭和8年に、アメリカで、ルーズベルトが第三十二代大統領に就任した。

ルーズベルトは、シナ事変が起こる前から、アジア、ヨーロッパに及ぶ、大陸支配を確立しようとする、構想を持っていた。

彼は、叔父のセオドア・ルーズベルトによる、日本打倒の、オレンジ計画を信奉し、着々と、その策略を実行していった。

彼は、徹底した、人種差別主義者である。
特に、日本人に対する憎悪は、強烈だった。
日本を、国家として、容認したくなかったのである。

日本打倒の意思を示しているのは、1924年、大正13年の、排日移民法の制定である。
元来、移民歓迎を国是とする、移民受け入れ大国が、日本移民だけを、締め出したのである。
更に、日本の、在米資産を凍結するという挙に出たのである。

この時点で、日本は、宣戦布告されたと言っても、いい。

当時の、ホワイト・ハウスには、陸軍長官、ヘンリー・スチムソンがいた。
ルーズベルトと共に、人種差別激しく、日本人を敵視した、反日派の巨頭である。

彼ら欧米人は、人類の支配者、という独善的信条を持つ。
すなわち、日本に対して、対等の相手ではあり得ない。
日本との、協調、共存を拒絶して、日本を屈従と、隷属のみを求めたのである。

しかし、性善説、お人よしの、日本は、対米協調が可能だとして、信じていたのである。

これは、後の、昭和16年春から、11月まで続いた、駐米大使、野村吉三郎と、国務長官ハルとの、日米交渉で、実証される。

いくら、日本が下手に出ても、アメリカは、一歩も、譲歩しなかった。

そして、ついに、ルーズベルトは、日本を戦争におびき出すため、経済制裁を掛けるのである。
それが、石油と、くず鉄の、輸出禁止である。

当時、石油の一滴は、血の一滴、と言われた時代である。

それを、全面的に禁止されれば、大半をアメリカに依存していた日本は、大打撃である。致命的だった。

それでは、日本は、生きる伸びるために、東南アジアの石油資源に頼らざるを得ない。
南方進出は、やむを得ない措置だった。

アメリカは、更に、英中蘭の三国をそそのかし、ABCDラインという、経済封鎖を敷いて、日本を封じ込めるという政策を掲げてきた。

日米交渉が、9カ月にも及んでも、アメリカは、交渉をまとめることなく、戦争をする準備稼ぎに過ぎなかった。

日本側を、苛立たせるだけで、解決の糸口は、全く見えない状態に、追い込んだのである。

アメリカは、日本が飲めないことを承知で、次々と、難題を突き付け、開戦せざるを得ないように、挑発した。

そして、11月26日、最後通牒として、ハルノートを突き付けてきた。
これは、一方的な、宣戦布告である。

つまり、日本は、死ね、ということである。
さて、そんなことを、突き付けられたら、どうするのか・・・

出来ない、ことである。
戦うか、アメリカに従う、つまり、植民地になるか・・・

外交交渉にてのと、昭和天皇のお言葉も空しく・・・
戦う以外の、道はなかった。
戦わずして、負ける訳にはいかなかったのである。