性について281

私は、直接的に、女性から男性へという、相談を受けたことはないが、女子から、男子への転換という問題を、手紙で受けたことがある。

それは、性同一性障害ともいえるし、更に、その彼女は、男になって、男と愛し合いたいとの希望があった。

つまり、女から男へという、FTMであり、性指向という、性的興味、関心、魅力などが、どの性別に向かうのかという問題がある。

男になり、そして、男と愛し合いたいとは、性指向は、男なのである。
通常であれば、女なのだから、男と愛し合いたいとは、ノーマルになるが、複雑なことは、男になり、男と愛し合いたいなのである。

つまり、ゲイの関係を指向するのである。
というように、実に複雑で、混乱するような、性自認、性同一性なのである。

私も、実は、混乱した。

次に、第二例を紹介する。

女が男へと転換する、事例である。

僕は、今、つき合っている彼女と同棲中です。将来は結婚するつもりです。でも、手術をしていないので、戸籍上の性別を訂正できず結婚することができないのです。・・・

日常生活では、改名も済ませ何の支障もなく暮らしています。それでも、戸籍上の性別は女性のまま。それに彼女の父親が僕たちのことを認めようとはしてくれません。僕がGIDだからです。親の理解が得られないこと、結婚ができないこと、それが、僕の今の一番の悩みです。

三歳の頃から、何故、ペニスがないのかと、疑問に思っていた。
小学校に上がる頃に、気づいたという。
そして、中学、高校と、最初は、同性愛かなと思っていた。

まだ、性同一性障害という、言葉を知らない。

そして、18歳で、カミングアウトする。
FTMの友達がきっかけで、親しい友人、兄弟、親に話す。

実は、僕の兄も、FTMなんです。うちは、四人兄弟で、一番上が姉、その次の兄もFTMで、僕、そして妹がいます。結局、うちの親は、産んだときは全員女だけど、二人はFTMで男になりました。・・・

GIDについて初めて知ったのは、専門学校での授業でした。児童福祉の担当の教師がGIDを取り上げた新聞のコピーを持ってきました。僕は、「あ、これや」と思い、家に持ち帰り急いで読みました。・・・
その後は、メディアを通して少しずつ知りました。

治療を始めたのが、19歳。
そして、近畿大学奈良病院に通いはじめて、一年間通院し、カウンセリングを受けて、診断書を貰う。
現在は、倫理委員会からの、返事待ちである。

同じ職場の、彼女との出会いで、付き合いを始める。
そして、結婚の希望がある。
だが、相手の父親が、許さない状態にある。

改名したが・・・
性別の変更が出来ないでいる。

戸籍変更に必要な、SRSの要件には、二つある。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。

五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

四とは、たとえば、FTMの人が、戸籍を男性に変更した後に、妊娠出産して母親になったりしないようにという考えで定められている。
五は、たとえば、FTMの人が戸籍を変更した後に、ペニスがないまま男子風呂に入り、周囲が混乱しないようにという趣旨。

上記の、二つの要件は、元々身体的違和感が強く、SRSを希望している人の場合には、大きな問題ではない。
しかし、身体的違和感がそれほど強くなく、社会的性役割への違和感が強い人の場合は、戸籍を変更したばかりに、望まないSRSを受けようとする事態が、起こるという、問題がある。

性別の変更、訂正を認める諸外国でも、これまで、その要件として、SRSが必要だった。
しかし、イギリスでは、必ずしも、SRSをその要件としない、法案が議論されている。

将来は、彼女と結婚したいと考えていますが、戸籍上の性別が変更できないのでそれもできません。今回のGID特例法では手術要件があるので僕は性別変更ができません。SRSを受けるかどうかはまだ迷っています。
金銭的な問題もあるし、SRSという大きな手術のリスクも考えるとなかなか踏み切れずにいます。・・・
どうして、手術をしないと性別が変更できないのか、その理由が僕にはわかりません。やはり、僕はこのままずっと結婚できないのでしょうか。

と、いうことで・・・
可能性は、同性婚ということになる。
同性婚を認めると、解決すると、思われるが・・・

同性婚というと、ゲイとか、レズと、考えるが、違う。
性同一性障害の人たちにも、受け入れられ、そして、それが希望にもなる。

後々で、それらの、様々な観念をまとめるが・・・
本当に、ひとそれぞれ、百人百様なのである。

だが、良い時代が来たのである。
少なくとも、それを容認する社会になっている。
勿論、上記のように、相手の父親が、反対し、許さないということも、多々あるが。

この、複雑さに、耐えられるか、ということだ。

時代がここまでに至ると、それが、時代性になり、時代精神になる。
この問題に関する、哲学、思想も必要になる。

宗教は、もうお手上げである。
ユダヤ、キリスト教、そしてイスラムでは、絶対に認めない。

ただし、西洋の国々は、早くから、同性婚に踏み出した。
意外な国は、タイである。
タイには、ゲイからレズ、そして様々なタイプの、性自認が存在する。
それでも、性別変更は、認めない。

更には、SRSの世界一であるのだが。