幼児の頃から、あるいは、突然のごとく、である。
同性愛という感覚から入る、場合もあるが、矢張り、同性愛とは違うと気付くのである。
同性愛の場合は、性自認が、男であり、男を好きなになる、愛するということであり、女の場合も同じである。
だが、GIDの場合は、混乱する。
例
私の場合、「ビックバン」は高校に入ってからでしたね。高校一年のとき、隣の席の女の子を好きになって、夏休みに告白したんです。その子には、自分のことは「気にしない」という言われ方をしました。
フラレたんですね。その後、彼女に対する私の態度でまわりが気が付いたのでしょうか、それとも彼女がバラしてしまったのか、女子が女子を好きだと告白したと、すっかりクラス中に知れたってしまったんです。
私は「みんな自分を同性愛者だという目で見ている」と追い詰められ、集団から孤立して自己嫌悪におそわれました。
「女の子を好きになっちゃいけないんだ」と、苦しみました。
もともと優等生の方でしたので、このときは勉強で見返してやろう、なんて頑張ってみたんですが、やはりそれは逃避でしかなかったのでしょう。
私の精神は、だんだ壊れていったのです。
学校へ行けなくなって、自殺も考えました。そんな私に学校側が対応してくれて、保健室への登校をするようになりましたが、それは、とても普通の学校生活とはいえません。そんな状態がしばらく続いた七夕の日、暮らすのみんなの前で、私はつい泣いてしまったのです。
抑えていた感情が、孤立感が、自己嫌悪が、一気に噴出したんですね。幸いにもこのことがきっかけで、クラスの人の態度に変化が見えました。少しですが、理解を示してくれるようになったのです。おかげで、私はクラスに復帰することができました。
高校時代は、男の子に別の意味であこがれていましたね。自分が男でなく、ペニスがないのが納得できませんでした・・・
そして、大学入学により、更に、迷いの道に入り込むようになる。
パニック障害を発症して、約三年間、引きこもりを経験する。
その頃から、もしかしたら、自分は、FTMかもしれないと、自覚するようになる。
第二のビックバンは、遠距離恋愛を経験して、その相手に、君はトランスじゃないのか? 僕と同類だ。やっていることそのものがFTMじゃないか、と言われる。
だが、その前に、一度、レズビアンで行くと決めたこともあるのだ。
だが、矢張り、混乱と悩みは続く。
そして、うつ状態も始まる。
FTMというトランスにもシフトしたのですが、それもはっきりしたわけではありませんでした。何より引っかかりがあったのは、体の治療のこと。FTMというと、みんな胸を取って、ホルモン療法を受ける、そんなイメージがあったのです。私はそんなこと、ちっとも望んでいなかった。子宮や卵巣を取る手術となると、もっと抵抗がありましたね。
その時に、大阪のあるFTMの人が、ノンホルノンオペを提唱していることを、知る。
そして、その生き方に共鳴、共感する。
引きこもりを抜け出す、決定打になったのが、改名だった。
自分はホルモン治療はしない、手術もしない。だけど、社会的にはトランスしたい。そのために改名という方法があったのか。これだ、これでいこう!と・・・
それからすぐに、改名に関する資料や情報を集めた。
そして、父親にカミングアウトする。
二度目である。
最初は、レズではないかと思った時である。
父親は、教育相談などを聴いていて、色々な子どもを見ているのか、仕方がないと、受け入れた。
診断書を貰い、改名の申請をする。
そして、改名を許可がおりる。
ちなみに、この方は、富山県、富山市に住む。
この例は、体はそのままで、生きることにしたのである。
すると、一見、社会から、周囲からは、同性愛と受け取られることもある。
だが、診断は、性同一性障害である。
ただ、姿は、男になっている。
要するに、性同一性障害のあり方も、ひとそれぞれである、ということだ。
日本で、性同一性障害を有する人は、諸外国の統計を基にすると、2200人から、7000人程度と推定される。
実際に、埼玉医大等の、主要医療機関を受診した人は、2004年5月まで、延で、約3000人になる。
同じ人が、複数の医療機関を受診することも多く、実数としては、2000人程度である。
毎年、新たに、300人程度の人が、受診することになる。
諸外国では、約三対一の割合で、MTFの受診者が多いが、日本では、ほぼ同数である。
理由としては、埼玉医科の最初の、SRSがFTMであったこと。
海外で、SRSを行う場合が多いことなどが、考えられる。
つまり、男が女になる場合は、タイなどの国での方が多いのである。
タイでの、性転換手術は、毎年ごとに、進化している。
今では、クリトリスの快感を得ることが出来るほどになっているという。
その昔は、ただ、膣を作るのみだったが・・・
つまり、快感を感じられない、手術だったのだ。
その頃に、手術をしたタイ人を知るが、もう、快感を感じる手術は出来ないと言う。
だから、アナルセックスを求めるらしいが・・・
相手が、その気にならないと、それは出来ないのである。
ただし、性器の周辺を、より女性器に近づけた手術は、出来るのである。
その知り合いは、何度か、手術をして、女性器により近い姿に手術をした。
見せて欲しいと思ったが・・・
失礼なので、止めた。