日々の言い分231

評論家、西部邁氏が、自死した。
ご冥福を祈る。

78歳である。
見事だと、思う。

私は、昔、55年体制が終わったと言われた、自民党が社会党に敗北した選挙の後に、西部氏の、講座に参加したことを、思い出す。

その講座は、月に一度のもので、毎月、参加していた。

55体制が終わったという、講義の後で、先生と、すすきのでご一緒して、飲んだ思い出がある。

あれから、30年以上が過ぎた。

札幌から離れてからは、一度も、お会いすることが無かった。

先生の著書は、難しいが、お話しは、良く解るもので、楽しみだった。

言葉に対する説明を、よくした。
東大の教授を辞めて、独立して、評論活動を始めた頃だと、思う。

言葉に対する、その理解度が、とても大切なことだと、知る。
つまり、言葉は、精神である。
その、精神を作る言葉の定義が、しっかりしていないと、思考、思索も、曖昧で、精神が、曖昧なままだということである。

勿論、日本の精神にある、曖昧さではない。
物事を考える時の、手立てとしての、言葉の扱いである。

同じ言葉を使用しても、その人の、その言葉の定義を聞かなければ、話が通じない。
多く、議論は、その言葉についての、理解度が、問題になる。

同じ事を、主張しても、言葉に対しての、考え方が違うと、違う意見に聞こえるのである。

これで、多くの過ちを犯す。

先生は、とても、寛容な方で、どんな意見も、尊重して、耳を傾けた。また、程度の低い問題に関しても、真面目に対応されていた。

私などは、とんちんかん、な言葉を多く使ったが・・・
選挙の結果を、大和魂の、欠落とか・・・

それでも、メモにして、書いて下さったりと・・・

そして、選挙に勝った、社会党は、まもなく、新政党によって、滅びた。
自民党一党体制だったが、国民が、新しい政党を求めていた。

しかし、新政党も、無残な状態になる。
そして、社会党の議員たちは、ころころと、新しい政党に入り、議員を続けたが・・・
今は、見事に、社民党という、その存在が無くなる、政党に転落した。

現実的ではない、政党だった。
今も、その残党が、色々な政党を立ち上げているが・・・

もう、国民は、自民党以外に、政権を任せられないと、気づいた。
腐っても、自民党になった。

とても、残念なことである。
私は、新しい野党を、求めている。

さて、西部先生は、自死された。
何故か・・・

絶望した・・・
日本に、我が身に、そして、歴史に・・・

腐れて行く、日本を見るに忍びなかったと思われるが、これは、不敬に当たるので、控える。

先生は、左翼系から、保守へと転身した。
そして、本当の保守というものを、考え続けていられた。

学生運動の団体の、トップだったというから、想像がつく。

私は、あの学生運動の時代の、人たちとは、会話することが出来ない。

夢、幻想、妄想の、人たちである。

先生も、あの当時の、学生は、何も知らなかったという。

安保など、内容も知らない。
まして、まともな歴史も知らない。

その、後輩たちが、今も、日本はアメリカのポチなど言うが・・・

私は、その世代より下だが、日本がアメリカの植民地であり、保護国であることを、知る。

あの、敗戦から、日本は、アメリカにしてやられたのである。
いや、あの戦争も、アメリカ、キリスト教白人の、ヤラセである。

それは、今も、続いている。
アメリカの意向の通りに、日本は、動く。
自民党政権でも、どこの政権でも、である。

そうではなければ、確実に、アメリカにやられる。
首相まで、解任される。

そういう事態を知っても、何も出来ないでいる。
つまり、精神の玉砕を、続けている。

西部先生も、日本は、アメリカの尻舐めをしていると、言う。
尻舐めである。

つまり、そういうことだ。
だが、アメリカに対等に、対処するということは、実は、アメリカと戦争をする気があるかということだ。

日米同盟で、守られているとの、幻想、妄想に浸っているうちはいいが・・・

私は、アメリカと戦争して、勝つ以外に、方法はないと言う。

そうでなければ、まともな神経の人は、絶望を続ける。