性について286

37歳の、MTRの例

私の場合、(性同一性障害Wであるという)診断書は持っていません。・・・というか、病院自体に通っていないんです。もちろん行けば(診断書は)手に入るかもしれませんし、あれば便利なこともあるのでしょうが、病人扱いされるのはイヤだし、今はその必要性も感じていません。
女性ホルモン済の服用や去勢(睾丸の摘出手術)は、通院などすることなく個人の判断でやりました。こういうの「脱線」というんですよ。いわゆる「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」にのっかっていないという意味で・・・

結婚して、子供が二人いる。

自分の性について本格的に違和感を持ち始めたのは、中学生になってから。この頃って、だんだん男っぽくなっていくじゃないですか。それがとてもイヤでした。ペニスに対する嫌悪感はあるし、「あれ、何で(私は)男なんだうろ」って悩んで・・・

二十歳になり、一人暮らしを始めてから、年に、二、三回原因不明の胃腸炎にかかり、入院する。

性同一性障害という言葉も、知らなかった。

その意味を知るのは、普及し始めた、インターネットによる。
そこで、色々と、調べて、そうじゃないかと、知ることになる。

実は、彼女は、恋愛対象が女性なのである。
女に成りたいが、女が好きだということである。

でも、SEXとなると話は別。相手は女性だけど、私は男の体でSEXしなければならない。それがどうも楽しくない。どころかかなり嫌悪感がある。だから、二十歳のときの初体験でも、女性に誘われたのにできませんでした。

結婚は二十七歳のときです。そう、「性同一性障害」云々が私の意識の中に入ってきはじめた頃ですね。もちろん自分の中に違和感は強かったのですが、何より私の両親に子どもを見せたいというのが違和感に勝ったんです。初体験はともかく、その後ある程度の女性体験はあったので、苦痛だけどSEXもできました。おかけで子供は二人生まれ、今、上の女の子は九歳、下は男で七歳です。

妻のことは、付き合いはじめてすぐ「気が合うな」と感じました。性格考え方が兄妹のように似ているんです。愛情もありました。けれど、結婚し子どもができることで、自分の中の違和感が解消できるとは思いませんでした。そして、下の子が五歳になってある程度成長のめどがたったら、違和感がガマンするのをやめようと考えるようになったのです。実際には、下の子が五歳になる前、2003年の二月に女性ホルモン剤の服用をはじめ、その年の九月に、妻にカミングアウトしました。

「だましたのね!」---妻は相当ショックだったようです。

だが、離婚だけは、しなかった。
カミングアウト以前に、離婚に進展しそうな時期があり、その時、子供が大きくなるまでと、離婚を思い止まった、二人である。

下の子が、二十歳になったら、離婚のことを考えるという。

子どもには、2004年五月にカミングアウトしました。上の子も九歳になり、そのくらいになれば父親の抱えているGIDという問題も受け止められるようになっていました。ま、うすうす感じていたみたいです。一度「GIDについて私に聞いてみてもいいよ」と言ったら、泣いてましたけどね・・・

この方には、姉と妹がいる。
同じ時期に、カミングアウトする。
そして、母親である。

2003年5月20日、関西方面で、去勢手術をする。
その手術は、ヤミである。

去勢をして、ペニスをどうするかと、考えるが・・・
日本でも、ヤミでやるところがあると、言う。

タイの場合は、渡航費を含めて、百万円ほどかかる。

大半の日本の、MTFは、タイに出掛けて、手術をする。

戸籍を変えることが出来る、特例法が公布された。

しかし私は、結婚して、しかも子供をもうけているため、この法律の適用を受ける条件を満たしていません。そのため、戸籍を変えることができないんです。まあ、元々そまつもりはありませんが・・・

現在、ホルモンと去勢の影響で、体毛は薄くなり、筋肉は脂肪に変わり、体の女性化が進む。

限られた、たった一度の人生を、後悔することなく楽しく生きたい。それだけのことなんですよ。

と、言うが・・・
本人の、たった一度の人生だが、関わる人がいる以上は、矢張り、問題が出てくるだろう。

その、関わる人たちとの、関係である。
人生の多くの悩みは、人間関係によるものである。

これから、益々、その認知度が高くなると思う。
それは、性同一性障害の人たちにとっては、良いことである。

理解されやすくなる。
そして、生きやすくなる。

更に、性的少数者の人たちにも、良い影響を与えるだろう。

さて、このように、子供のいる人もいる。
MTTFの場合、結婚経験者は、20%弱で、子供のいる人が、10%程度である。

FTMの場合は、結婚経験者は、5%で、子供のいる人は、1%である。

結婚経験者は、性別違和感の自覚が遅く、それまでに結婚して、SEXをして、子供が出来る。
あるいは、性別違和感があっても、結婚すれば、普通の男、あるいは、女になれると思う場合も、多々ある。

そして、その配偶者に対する、性的魅力である。
だが、いずれ、性別違和感が高まり、性別移行をすることになると、本人、家族が様々に、悩むことになる。

そして、結婚の継続か、離婚か、である。
そのためには、時間がかかる。

自分の生きたいように、生きるということは、大変なことなのである。