性について287

次に、同性愛について、書き始める。
以前は、同性愛の、歴史的なことを、書いたが、今回は、その現状について書く。

同性カップルの関係を、男女の夫婦と同等に認める、という動きは、世界的に広がった。
2001年、オランダが世界で初めて、同性婚を法制化した。

日本での、同性婚の法制化を目指す、NPO法人「EMA日本」によると、同性婚を認める国は、24カ国である。

主要七カ国では、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツが、同性婚を法的に、保障した。

イタリアも、同性カップルのパートナーシップ登録制度が、確立されている。
G7で、法制度が整っていないのは、日本のみである。

ここで、カトリックの国である、イタリアが、同性カップルのパートナーシップを認めたことが、画期的である。
もう、無視出来ない、存在となったと言える。

日本では、性的少数者、LGBTに対する、差別を禁じ、権利を保障する法制度が、実に、遅れていると、言わざるを得ない。

だが、国に先行して、自治体が、様々な施策を打ち出している。

2015年、東京都世田谷区と、渋谷区が、同性カップルに、パートナーシップの認定を開始した。
同時に、区内の事業者には、家族と同様に同性カップルを扱うように、求めた。

ただし、法的拘束力はなく、事業者の協力が必要である。

事故なとで、一方が病院に緊急入院した場合は、これまで家族でないことを理由に、面会を断られたり、賃貸住宅への入居、会社での家族手当の受給に道が開けた。

同様の認定制度は、その後、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、那覇市、札幌市も、追随した。
今年の四月からは、福岡市も、導入予定である。

更に、性的指向、性自認による、差別を禁じる条例を設けるところもある。
世田谷区は四月から、LGBTへの差別を禁じる条例を施行する。

また、東京都国立市は、当事者の性的指向、性自認を第三者が勝手に公表する「アウティング」黄石を盛り込んだ、条例を四月に施行する。

だが、自治体の施策は、拡大傾向を見せるが、条例の対応には、限界がある。

同性パートナー死亡時の遺産相続、税金の配偶者控除など、国でなければ解決出来ない問題が多いのである。

世界には、性的指向、性自認による、差別を禁じる法律がある国は、70カ国以上に上がる。
主要七カ国では、日本以外の国が、同性婚、パートナーシップを認める法制度を整えている。

LGBT差別禁止法の制定を目指す全国組織「LGBT法連合会」は、性的指向や性自認に関するハラスメントの防止と禁止、そして、困りごとを話し合いで調整する義務を学校や自治体、企業なとに課すなどを求めている。

この状態から、超党派による、国会議員による、「LGBTに関する課題を考える議員連盟」が組織された。

昨年には、地方議員らによる、「LGBT自治体議員連盟」も発足し、国への働き掛けを始めた。

ここで、私が問題と思うことは、国民の意識である。

中には、同性婚など、とんでもないという人もいるだろう。
更に、同性愛に対しての、偏見と差別である。

日本では、明治期以前は、同性愛に実に、寛容だった。
しかし、明治期に、西洋、特に、キリスト教の影響で、同性愛が嫌悪された時期がある。

実に、おかしなことで・・・
今では、西洋の方が、それに関しては、寛容である。

差別と、偏見は、人間には、付き物である。
つまり、許容できないものは、差別する。
理解出来ないものは、差別するのである。

勿論、ユダヤ、キリスト教、イスラムでは、特に原理主義は、絶対に認めないのである。

聖書に、記述されていないのが、最大の理由だ。
だが、聖書を深く読めば、同性愛が、とてつもなく、多いのである。
それは、異教徒の風習と書かれているが、彼らも、多く同性愛行為を行ってたということである。

私は、これからの時代は、両性愛の時代を迎えると、考えている。
つまり、バイセクシャルである。

もう、性的快楽は、自由に開かれたものになる。
生殖と離れた、性的快楽なのであるから、何でもありである。

更に、ロボットとの、性的行為である。

何が、正しいセックスなのかを、誰も、教えることは出来ないのである。
性的快感がある限り、それを楽しむ権利が、ある。

国家的な、制度は、いつも、実態から、遅いのである。
だが、確実に、制度化する。

もう一つは、家族性の変化である。
家族という、観念が変容する時代になる。

それは、受け入れる、入れないの問題ではなくなる。
そのように、時代性、時代精神が成るのである。

二人の父親がいる家庭、二人の母親がいる家庭・・・
何も珍しいことでは、なくなる。
そして、そこに、新しい思想が、現れる。

そうして、歴史は、歩んできた。
日本の現在の家庭のあり方などは、平安期にはなかったのである。
精々、戦国時代以降のことである。

江戸時代などは、結婚は、結婚で成り立ち、それとは別に、同性愛、武士道における、男同士の関係は、当然のことであった。