性について288

人間行為の多様なあり方を社会がどれほど許容し、受け入れるかは、文化によってかなりの差があり、それは他の生活様式に対する受容や拒絶の姿勢に表れている。
パラノイド的でゼノフォビア的(よそもの嫌い)な攻撃的文化もあれば、中立的で温和だが、基本的権利を拡大して他文化の多種多様な生活様式を含めることには消極的文化もある。最も進歩的文化は、進んで文化のありようの幅広さや多様性を許容するのみでなく、それを賞賛すべきものと捉えている。
セクシャリティやジェンダーはおそらく他の生活様式に対する社会の寛容度を示す、あらゆる政治的指標のなかでも、最も重要なものだろう。
同性愛のカルチャー研究 ギルバード・ハート著

本題は、SAMW SEX DIFERENT CULTURES である。
セイム・セックス、つまり、同性愛という意味である。

この著書を参考にしつつ、書き始める。

あらゆる政治的指標のなかでも、最も重要なものと、著者が言う。
つまり、時代性と、時代精神が、そのように、なったということである。

もう、無視出来ない存在なのである。
しかし、歴史を俯瞰すると、それは、いつの時代も、存在した。
そして、それぞれの、時代で、それは受け入れられてきたのである。

当然のこことして、である。

最近の研究者のなかにはホモセクシュアリティを、性的欲望及びアイディンティティの文化的・歴史的形態と、それに呼応した社会的関係に分離して考える者もいる。
ギルバート

研究するという、行為自体は、肯定するが・・・
何か、特別なものを見るという、態度ならば、理解出来ない。

ホモセックシャリティ、同性愛という、概念そのものは、近代初期に西ヨーロッパ及び北アメリカのヨーロッパ系社会で生じた、思想の歴史的枠組みの中に、位置づけられるものである。

一般的に異性愛と同性愛の対比や正常と異常、男性性と女性性の対比は、近代西欧史においては本質的で自然で、正常なものとして広く捉えられてきた。だが、常にそうだとは言い切れないのである。
ギルバート

端的に言えば、それは、宗教、特に、キリスト教の台頭により、特別視されるようになったのである。
そのカトリックは、同性愛を罪と断定した。
何故か・・・

キリスト教白人に、あまりに、同性愛が多いからである。
更に、その旧約聖書の中にも、数々と記述がある。
それほど、多かったのである。

横やりを入れるようだが・・・
本来は、それほど、重要なことではなかった。
現在の、人類の状況を見れば、よく解ることだ。

至る所に、同性愛が広がっていた。
ところが、それでは、人口は、どうか・・・
増え続けている。
一体、何の問題があるというのか・・・

興味本位で、この著作を見ることにする。

西欧社会で伝統的に認識されてきた同性愛/異性愛という二分法は、その正確な原因や理由については明確ではないものの、近世への移行期に生じたことが、人類学及びセクシャリティの歴史研究によって明らかになっている。
この性まつわる変容には、ブルジョア的中流階級の価値観の制度化や、社会医学及びセクシャリティに関わる国家言説の非宗教化、欲望及びアィディンティティに関する個別化した概念、核家族内の生殖の重視といった要因が関連している。
ギルバート 読み易く改行している

統一的な概念として、ホモセックシャリティは、ラテン語の「ホモ」すなわち「男」ではなく、ギリシャ語の「ホモス」すなわち「同じ」という言葉に由来する。

その語は、歴史的に、男性間、女性間の、セイム・ジェンダー関係を意味していた。

19世紀後期以降は、事実上、男性パートナー同士の社会性的接触としての「ホモセックシャリティ」と、女性同士の性的接触である「レズビアン」は明確に区別されるようになる。

そして、ホモセックシャリティ、男性同士の性的接触が、通常の文化的ステレオタイプを作ることになった。

ここでも、解ることは、レズビアンに関しては、それほどの抵抗がないのである。
つまり、あまり、意識されなかったということだ。

ユダヤ・キリスト教の世界では、イスラムもそのようであるが、女性は、男の付属物であった。
だから、レズビアンは、それほど、意識になかった。

旧約聖書でも、レズビアンに関しては、一切、触れられていないのである。
一体、どういうことか・・・

動物以下の存在だった、女性である。
だから、どうでも、いいのである。

その点、男は、重要な存在だった。
何せ、男社会である。

父系社会を築き始めた時期である。
それ以前は、母系社会だった。
母系社会では、セクシャリティに関しては、全く、寛容だったのである。

言葉について言えば、
例えば、最も注目すべき例は、イギリスで用いられた「モリー」であり、また広く18世紀に用いられた「ソドマイト」男性、「サフィスト」女性、そして19世紀後半から20世紀前半にかけて強い嫌悪の対象となった「男性レズビアン」「ユラニアン」「倒錯者」「中間の性」などがある。
バイセクシャルという語もまたその頃から用いられるようになった。この語には四つの異なるレベルーーー生物学的、心理学的、文化的、行動的レベルーーーの意味が含まれている。
ギルバート

欧米人が、ゲイ、レズビアン等について、深く研究するのは、何故か。
多いからである。

兎に角、多い存在なのである。
それについても、追々と、追求する。