4年ぶりのほほ笑み 6 文責;コータ

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 アジアの人材流動は、より活発になっている。


 ASEAN諸国は、EUのように、国と国を越えてつながりはじめた。


 そう感じたのは、タイヤイ族の3人娘と、バンコクの下街をぶらぶらしていた時である。昨夜、お化けのいる大樹が縁で仲良くなった、メーさん。彼女が連れて来たタイヤイ女性2人と、市場へ出かけた。


 タイヤイの人々は、ミャンマー国籍。それでもミャンマーへの帰属意識は薄い。ミャンマー語をまともに話せない人もいる。


 タイヤイ女性2人は、タイ人向けのカラオケ屋で働いている。外国人と話すことは滅多にない。いきなり日本人の私と、市場の酒場でビールを飲むはこびとなり、所在なさげだった。メーさんに、この子たち何才なの、ときくと、首を傾げる。


「20才くらいだと思う」


 無言のままスマホを見つめる2人。私は気まずさに耐えきれず、とりあえず髪型を誉めた。一人が、ミッキーマウスみたいな、お団子髪に結っていたから。


 会話の口火は切れた。こちらから話しかけないと、ムスッとして目を合わせない。おそらく、たいへん恥ずかしがり屋なのだ。タイ人もその傾向がある。


 2人はそれぞれ、25才、そして20才くらいだという。“くらい”というのは、本人もはっきりせず、


「たぶん、20才はこしたかな」と真顔で言うから。


 アーヂンさんといった。目が小豆(あずき)のように小さく、色が白い。日本人そっくりである。次の日カラオケ屋できいたのだが、タイ国境から車で2日はかかる農村の出身。兄と姉のうようよいる末っ子なので、出生届けを親が出し忘れたのかもしれない。


 さて、市場ですっかり仲良くなった私たち。このままメーさんの部屋で飲み直そうという事になった。タイヤイ族の男の子も呼ぶという。


 バンコクのタイヤイ・コミュニティーの内側を知るなど、私にとってはまたとないチャンス。貴重な話がたくさんきけると、おつまみを買い込んで臨んだ。


 男の子たち2人も来た。タイ周辺の国の、より現金収入を得る道の少ない人たちは、バンコクに出稼ぎに来る。かつてはタイ東北部からの出稼ぎが多かった。


 それでも人が足りないのか、あるいは人件費をさらに安くするためか、外国籍の少数民族を見ることが多くなった。


 男なら、建設現場など、いわゆる3Kの仕事に就く(註1)。私の思うに、仕事がなくても食べるには困らないタイ男より、よく働くだろう。合法的にタイで働くためには、タイ政府に税を支払わなくてはならないから。


 タイヤイ娘3人お手製の、タイヤイ料理を囲み、宴会がはじまった。




(註1)3Kというと、きつい、汚い、臭い、かと思う。タイでは加えて、危険、がつく。4K。ヘルメットや安全靴使用の規制はゆるく、保険も無い。高層ビルの上で、ジーパンにTシャツの作業員が安全ベルトなしにはしごを昇降する姿を見ることも。