4年ぶりのほほ笑み 7  文責;コータ

 タイヤイ文化は、日本人にも馴染みやすい。


 食事はお米が中心。野菜も豊富。


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 タイ料理にはあまり見かけない、“おにぎり”もある。スマホを使いこなす現代人のタイヤイ娘も、もとは農村出身なので、料理はお手のもの。


 バンコクに暮らしながら、時折り集まって、タイヤイ料理を一緒につくったり、タイヤイ歌謡をきいて故郷を懐かしむ。


 いちばん年上の、お姉さん的存在、メーさんの部屋で、床に座り込んで乾杯。酒を飲むのはもっぱら男たち。女性陣はほとんど口をつけない。タイの宴会では定番の、サンソム・ウィスキーを、水やソーダで割る。


 さて先述のおにぎり。色白、小豆(あずき)目のアーヂンに、つくり方を教えてもらった。


「まず、焼き飯をつくるの。そのあと、鉢でポクポク。平べったく手でにぎる」


 焼き飯にするときに、同時に味つけもする。鉢でポクポク、というのは、すりこぎのような棒の先で、焼き飯をついて、粘り気を出す。タイ米は、日本米とちがってあまり水分を含まない。


 きっと、餅のようにつく事で、握りやすくするのだ。そして、手のひらよりかるく大き目の楕円形に形をつくる。これを手づかみで食べてもいいし、箸でちぎって、おかずをまぶして食べてもいい。


 私もご馳走になったのだけれど、けっこう味が濃い。それを察してか、メーさんが野菜をちぎって、皿に入れる。生キャベツや、パクチーである。ほとんど野草みたいな葉っぱの若葉も。


 それらをおにぎりのかけらに混ぜ込むと、ちょうどいい具合に味が薄まる。食物繊維たっぷりなので、腹のこなれも良い。


 天然酵素が豊富な薬草を十分に摂る事で、熱帯の気候にも負けない身体が出来る。


 いままで、タイ料理はさんざん食べてきたけれど、どうもこの野草のつけ合わせ方をよく分かっていなかった。ビタミン不足になったり、しょっちゅう腹を壊したりした。


 じっさい、その後意識してその食べ方をした所、帰国まで一度も腹を下さず、体調も崩さなかった。


 アーヂンはかいがいしくピーナッツの皮をむいてあげたり、一人の男の世話をやく。どうやらボーイフレンドらしい。


「よくそんなにお酒飲むよね、飽きないの?」とぼやきつつ。


 メーさんとお団子さんは、疲れてベッドで寝てしまった。誰がいようと眠くなれば寝る、それがタイヤイ流の人付きあい。


 アーヂンも大あくび、ベッドにつっぷして半分寝ている。私は頃合いを見て部屋を辞した。メーさんに声をかけたけれど、ベッドに横になったまま、ちょいと片手をあげただけ。