日々の言い分297

ニューギニア本島の北岸にあるマダンは、かつて第二次大戦中に日本陸軍の根拠地があった地域であり、今日でも戦跡が多く残る場所である。

海と山が大変に美しい観光地であり、治安も比較的穏やかなところもあるため、日本人のみならず、多くの欧米人ダイバーも訪れるパプアニューギニア国内最大の「リゾート地」だ。


私自身、何度かスキューバダイビングに行ったが、潜ってすぐのところに美しい珊瑚礁が広がり、そこに大きなアカウミガメがべっとりと張り付いていた、夢のような光景を今でも思い出す。

こんな美しいマダン州の山奥に、中国は2008年以来、世界最大クラスの「ニッケル・コバルト鉱山」を建設し、現在も操業を行っている。
この鉱山の操業が本格化するにつれ、美しかったマダンの街には、英語もろくに話せない中国人労働者が増えている。

私自身が最後にマダンを訪れたのは3年以上前のことだが、その時も確かに中国人の数が増えたなと感じたので、今はもっと多いだろう。
地元民いわく、治安も徐々に悪化しているようだ。

彼らの多くは、まともなビザを有していないと言われており、中には夜間、沖合にやって来た貨物船から一気に上陸し、そのまま現地に「溶け込んで」しまう連中も多いと聞く。


彼らがいったいどのような背景を持ち、誰のどういう意図で働いているのか、まったく不明だが、こんな連中の中に、「軍関係」「情報関係」の人間が混じっていないなどと、いったい誰が断定できるだろうか。


この「ラム・ニッケル鉱山」プロジェクトの最大の問題は、その大量の鉱山廃棄物である。
それらは、山の中から長いパイプラインを伝ってマダンの対岸の海に直接「投棄」されることになっている。

その量たるや、20年間で1億トンにものぼるというから驚きである。
もちろん、それらは強酸性の猛毒(鉱毒水)であり、さすがに地元民が「大反対」をして一時期パイプラインの稼働について裁判所から中止命令が出た。


だが、地元の反対派代表が「拉致されて暴行を受ける」という、きな臭い事件も発生しており、2012年の頭になってパプアニューギニア最高裁は鉱山の稼働容認の判決を発表、5月からは実際に月間数十万トンもの鉱毒水がビスマルク海に流されて始めている。

これはやがて、あの美しいマダンの生態系を大きく破壊することになるだろう。当地出身の私の友人も、このことを本気で恐れている。


上記の書き込みは、丸谷元人氏である。

私が、パプアニューギニアに、慰霊に出掛けたのが、およそ八年前である。

日本の外務書からは、渡航禁止の手前の告知があった。

つまり、非常に危険である。更に、中国人排斥運動があり、中国人に間違われないようにとの、忠告を知人から受けた。

その様子は、旅日記に書いているので、省略する。


その旅での、象徴的な出来事があったことを、書く。

入国に際して、長蛇の列。私の前には、中国人の二人の女がいた。その二人のために、全く、進まないのである。

管理官が、根掘り葉掘りと、彼女たちに質問する。

聞き耳を立てていたが・・・

ついに、私に、入国審査の向こうから、手招きする人がいる。

私は、審査官の横を通り、通過したが、誰も、何も言わないのである。つまり、着物を着ていた私は、日本人として認められていたからだ。

私を手招きした女性は、パスポートを開いた、即座にスタンプを押し、オッケーと私に笑顔で言った。

日本と日本人、そして、日本のパスポートの信用が、一目瞭然だった、経験である。

さて、中国の蛮行は、世界では、知らぬ人がいない程になった。

新植民地主義と、言う人まで、いる。

貧しい国に金を貸し付けて、支払えないことを分かっていて、その国を支配すると言う、手、である。

近いうちに、戦争になると、私は見ている。