生きるに意味などない53

一つの同じ先祖から短期間に多数の系統が発生したとき、その先祖の種の内部において、これまでの生き方ではだめだ、今後どう生きていったらよいかについて議論が百出し、あるグループは指の数を減らすことを、あるグループは角、鼻または首を長くすることを主張し、ついに意見の一致を見ず、議論は決裂し、それからのち、それぞれのグループはおのれの信念に従ってわが道を歩みはじめ、新しい種を形成したのである。 そして、…

続きを読む

生きるに意味などない52

わたしは、生物のさまざまな種は地球上というこの条件下でどのように生活するのがもっともよいかについてのそれぞれの種の見解の相違を表わしていると思う。したがって、その見解の数だけ、生物の種が存在する。この人間社会においてどのように生活するのがもっともよいかについての各人の見解も千差万別である。・・・ 人間でいえば、日和見主義、卑劣漢、怠け者、暴力主義者、平和主義者、臆病者、依存者、働き者、卑劣な者…

続きを読む

生きるに意味などない51

精神疾患が生理学(発達してゆけばいつの日にか物理学に還元されることを暗黙の前提としたところの)の問題というより、コミュニケーションの問題と見られるようになったことについては、すでに述べたが、このコミュニケーション学は、いろいろな分野ですでに相当発達してきている。 遺伝学においても、遺伝子は、生理学的実体というより、情報を伝えるものと見なされている。 これらの考え方の背後には擬人論があるのだが…

続きを読む