国を愛して何が悪い178

源氏物語は、長い物語である。 更に、古典となれば、現文で読む人は、少ないと、思われる。 だが、原文で読むことで、その大和言葉による、音感が冴える。 また、語源の多数あり、その当時の意味から、変転していった様が、理解できる。 さて、物語の、内容であるが・・・ 色好みとしての、単なる物語ではない。 後に、もののあはれ、の元とされた、物語である。 その、もののあはれ、に対する…

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国を愛して何が悪い177

仏教が伝来し、死と死後の存在についての思索が深まり、浄土観のあきらかなるにつれて、挽歌としての長歌も消滅したことは注目すべきことだ。私は古代人の死後についての信仰のなかで、白鳥と化して大海原の水平線はるかに飛び去ったというやまと・たけるの伝説を最美のものと思っているが、こういう幻想も次第に消滅した。 亀井 現代語は私 そうして、それが、仏教の、特に浄土教、阿弥陀信仰による、追善儀礼として…

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国を愛して何が悪い176

色好みの世界は、十世紀から十一世紀の貴族生活はむろん、女房文学のなかに多彩に表現されてゆくが、ほぼ同じ時代に、無常観とともに「厭離穢土」という観念が次第に強まってきたことを見逃してはなるまい。 亀井 それは、欣求浄土と、不可分のものとして、源信によって、体系化され、やがて、浄土教として、強い影響を与える。 源信の「往生要集」は寛和元年、985年、成立と伝えられる。 極楽浄土への往…

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