国を愛して何が悪い175

平安朝精神史のなかで、独自の位置を占めるのは、女房文学である。 十世紀後半から、十一世紀後半に渡り、開花する。 日本史上類にない、女房文学である。 この背後には、更に、無名の女房作者たちも、大勢存在していたと、思う。 朝廷に奉仕する、女官たちによる、一大サロンが形成されたことが、一つの原因である。 だが、それは、突然の現象ではない。 文学以前の、遥か古代まで、さかのぼるべ…

続きを読む

国を愛して何が悪い174

万葉集の最後の歌から、およそ、150年後に、古今集が成立する。 この、150年間とは、一体、何か、である。 八世紀後半から、九世紀全体にかけて、当時の精神史の核心を形成するものは、唐化の激しい影響である。 唐物・・・ それは、おびただしい、ものだった。 七世紀初頭から始まる、つまり、推古天皇の頃から始まる、民族の変貌の、一つの絶頂期に達した時代である。 古今集は、その…

続きを読む