玉砕247

筆者は、3.11を契機として露呈してしまった戦後日本国家と社会の本質を「永続敗戦レジューム」と名付けた。ここで言う「本質」とは、戦後日本は「民主主義と平和」を表看板としてきたものの、その実態は、敗戦の責任を曖昧化することによって戦前・戦中の支配者層・権力構造が根本において温存された国家・社会であったという事実を指す。かつて講座派マルクス主義者たちがこの根本構造を「封建遺制」と呼んでいたことは「懐…

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玉砕246

ここで、ある一冊の本を紹介する。 私は四十三年前に初めて日本に来た時に、日本人がとてもアメリカに興味をもっていることに驚いた。私はアメリカ生まれだが、基本的にアメリカ人は他国に興味がなく、自分たちのことを考えている人が多い。私が特に驚いたことは、アメリカ人より日本人のほうが、アメリカの歴史、社会のことなどをとても良く知っていたことだ。マックス・フォン・シュラー太平洋戦争 アメリカに嵌められた日…

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玉砕245

以後、あの戦争は、単に力の強い者が力の弱い者に勝利した戦争ではなくなりました。日本は力が弱いから負けたのではなく、力の弱い者が間違った戦争をやったから負けたのである、という解釈ができあがってしまった。この流れを主導したのは、言うまでもなくアメリカです。ここには一つの事情があります。アメリカは明らかに一つの歴史観を持って、あの戦争に臨みました。それは、ファシズム対民主主義の戦いという、戦争観であり…

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