神仏は妄想である542

山折哲雄氏の、仏教とは何か、という著作から、日本仏教を俯瞰する。 大づかみにいって、インドで興った仏教は民族の垣根をこえ国境や文化の差をこえて四方の地域にひろがっていった。その伝播の波はいうまでもなくわが国にも及んだ。仏教の普遍的宗教的な特質がそうした拡大を可能にしたということができるだろう。あるいは、発展する過程でしだいに普遍的性格を獲得していったのだともいえる。いずれにしろインドの仏教は、…

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神仏は妄想である541

ブッダ以後の仏教の歴史には、大きく言って二つの流れがあったと私は思う。一つは、ブッダの到達した地点にどのようにしたらたどりつくことができるのかーーーそういう問題意識にもとづいて展開した仏教の流れである。実践仏教の流れといってよいだろう。これに対してもう一つは、ブッダが最終的に到達した認識を出発点として仏教の運命を考えようとした流れである。これを認識仏教の流れと呼ぶことにしよう。一方は成道以前のブ…

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神仏は妄想である540

山折氏の、論説を続ける。 「スッタニパータ」という作品の意味が、はっきりした輪郭のもとに浮かび上がってくる。すなわち「スッタニパータ」という作品は、ブッダが最終的に到達した境地を、弟子たちがそのまま記述したものであるということだ。ブッダによって完成された認識を、客観的にのべた記念碑だということである。そこでは、その最終的な認識にいたるまでの内心の軌跡はほとんど記されていない。ひそかに苦しみ、悩…

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