死ぬ義務20

アメリカの心理学者であり、精神医学者である、キューブラ・ロスという女医が書いた本で、「死ぬ瞬間」というものがある。一時期、有名になった本だ。 ポスピスの運動をして、大きな仕事をしていた人である。アメリカのポスピスの、先駆者と言われる。 この人が考えたことは、死ぬ人を看取るのは、医者だけではなく、ソーシャルワーカー、看護師、家族、宗教家という人たちで、チームを作り、一人の死に行く人を看取るとい…

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死ぬ義務19

さて、ここで、中世日本での、死に方を見たが、では、現在は、どのような形があるのかを、見る。 一つの情報である。看取り士、という資格を出している、団体がある。一般社団法人「日本看取り士会」である。 会長は、柴田久美子さんという。この方は、2012年、その会を設立した。その前は、離島にて、看取りの家を創設して、看取り士として、旅立つ人に寄り添うと共に、看取り文化を伝える講演活動などをしていた。 …

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死ぬ義務18

ベナレスの葬儀の風景を描く。 男性の遺体は、白い布でくるまれて、粗末な担架に乗せて、四人で担ぐ。そのまま、川岸に持ってゆく。それは、遠くから見ていても、解るのである。 女性の場合は、真っ赤な布でくるみ、同じように、担架に乗せて、運ぶ。 薪を一定の高さに積み、死体を乗せて、重油をかけて火をつける。それが、三時間から、四時間程度かかる。 その間、二、三メートル離れたところに、家族たちが、じっ…

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