死ぬ義務8

更に、有名なアウシュヴィッツの収容所では、遅かれ、早かれ、死ぬ、ということが、当然なことである。 それを生き抜くとは、様々な要因によるものとはいえ、その報告からは、同じ痛みの内に書かれているものが、多くある。 そのナチスの強制収容所では、何とか「プロミネント」になることが、「ムーゼルマン」(それは回教徒、瀕死直前の囚人を指す)に陥ることを防ぐ唯一の、方法だった。 プロミネントというのは、カ…

続きを読む

死ぬ義務7

ナチスの強制収容所を生き延びた、囚人の証言。 ひとり狼は早死にする、ともかくだれかと関係をわかちもたなければ収容所で生きていくことはできなかった。 極限の孤独状態にあり、更に、そこでこそ、誰かと、関係をわかち持たなければ、ならなかったというのである。 つまり、人は、一人では、生きられない。どんなに孤独な存在であっても、一人では、生きられないという、観念である。 常々、私は、今、目の前…

続きを読む

死ぬ義務6

人間にとって、確実なものは、死である。そして、加えて言うと、救いのない、孤独である。 それは、普段は、感じられない、または、感じないようにしているのか。 人間へのまなざし、霜山徳爾氏の引用をする。 また石原氏は、さらに「ある「共生」の経験から」という作品の内で、この問題を別の面からとり扱っている。霜山 別の面から取り扱うものとは、孤独である。 収容所では一つの食器に二人分の貧しい食事が…

続きを読む