神仏は妄想である562

曇鸞は、神仙の住む山、五台山の近くに生まれた、漢人である。 病気の間、自国に伝わり、あまねく信じられていた、神仙術、つまり、不老長寿の法が、思い出された。 そして、やっと癒えた彼の心に、まず、我が国の伝承されている、不老長寿の法を得て、その後、仏教の本業に身を捧げると、考えた。 彼は、その術を求めて、南北シナを通じて、師匠を探した。遥か、江南に七十余歳の、陶隠居がいる。 陶隠居の名は、弘…

続きを読む

神仏は妄想である561

それでは、日本の浄土宗に影響を与えた、というより、そこから出た、曇鸞の生き方を見る。 五台山に近い場所で育った曇鸞も、この山に憧れを持った。15歳で、出家する。 曇鸞の晩年の頃から、五台山が次第に、仏教の霊場と化して行く。だが、その少年時代は、神仙の山であり、神仙が住むという山が、曇鸞の宗教的情操を育てた。 伝統的な神仙思想が、沁み込んでいた曇鸞である。神仙思想とは、道教である。 彼の出…

続きを読む

神仏は妄想である560

日本天台宗では、四種三昧の一つを実践する、常行三昧堂の常行三昧、つまり、不断念仏、引声念仏は、浄土往生を願う、唱名念仏に変質して、鎌倉時代の浄土三部経による、純浄土教信仰運動が、容易に芽を出す、下地を作ったといえる。 遥かに遠い、廬山の慧遠の「般舟三昧経」による、念仏結社の影響からである。 しかし、「般舟三昧経」の浄土教からは、中国の曇鸞、道綽、善導の浄土教は、生まれず、この中国の三師を師範…

続きを読む